本日は日本福祉大学の地域同窓会総会のため静岡駅北口のホテルアソシアに行って参りました。
静岡県地域同窓会は、静岡県下の日本福祉大学の同窓生と学校関係者等が集まり、
①昨年度の事業報告と決算報告(監査報告)、今年度の事業計画と予算報告
②講演会
③懇親会
の3部構成で毎年5月上旬に行われます。
一昨年までは静岡駅南口の東海軒会館で行っていましたが、駅前再開発にともなう工事のため昨年からホテルアソシアで行うようになりました。
今年の講演会は、日本福祉大学社会福祉学部教授の原田正樹(はらだまさき)先生による「社会福祉の政策動向と地域福祉の推進」でした。
日本は現在、少子化高齢化が急速に進み人口減少社会となっています。将来推計人口によれば今から50年後の日本の人口は現在の7割の約8000万人となり、今から30年以内に全国の半数にあたる約900の自治体に消滅可能性があるとされています。
当面、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となる2025年から2035年の10年間をどのように乗り切るかが大きな課題となっているようです。介護等のサービスを提供する社会資源が圧倒的に不足することが予想されます。営利法人は事業規模を拡大し抜いてその後解散する道も考えられますが、その後も事業継続しなければならない社会福祉法人などはどこまで事業規模を拡大してよいか悩みどころだそうです。
現在、2025年へ向けて「地域包括ケアシステム」の構築が進められています。私自身としては介護業界に身をおいているため、日常生活圏域(中学校区程度)で医療・介護・福祉サービスを一体的に受けられる体制作りをしているというイメージがありましたが、実際はそれよりも大きな視点で整備が進められているようです。 日本の社会保障制度の、高度成長期に確立した1970年代モデルから21世紀(2025年)日本モデルへの改革です。
4月に介護保険法の改正もありましたが通常の3年に1度の改正とは主旨が異なるとのことでした。高齢者分野では介護予防サービスが地域支援事業へ移行することになりますが、主題としては施設サービスの対象とならない「一人暮らしで認知症の要介護2の方」が地域で安心して暮らせる体制を具体的に構築することが求められています。子ども子育て関連3法も本年4月より本格始動し、「地域子育て支援拠点」を地域包括支援センターと同じく「日常生活圏域に1箇所設置」する方向となりました。障害者や若者福祉の分野の整備は少し遅れている様ですがいずれにしても日常生活圏域での事業主体となるボランティア等の整備を地域に押し付けるのではなく具体的に形成していく必要があるとのことでした。
上記以外にも、自己実現から相互実現的自立への自立観の転換、ケアリングコミュニティ、生活保護制度の見直しと新たな生活困窮者対策など最新の福祉理論・福祉政策の概要を一通り学ぶことができまさに「視野が大きく広がった」講演会となりました。
原田先生お忙しいなかでの貴重な講演。大変にありがとうございました。
懇親会は15階の「ベラビスタ」にて行われました。4期生の前同窓会会長(最近後期高齢者になったそうです( ^-^)/)から現役の大学3年生までの幅広い年齢層での参加となりました。原田先生も参加されましたヾ(●⌒∇⌒●)ノ 。社会福祉士会の会合等でお会いしている方も大勢いらっしゃったため終始和やかな雰囲気での懇親会となりました。
同窓会会長の三田忠男さんです。静岡県社会福祉士会の前会長で、現伊豆市議会議員です。w(゚o゚)w すごい先輩です!